我が国においては、すでに50万台以上のAEDが販売されているものの、一般市民によるAEDの使用率は未だに3%程度しかありません。使用率がなかなか向上しない理由として、
というような理由が考えられます。
AEDの設置をご検討される場合には、「心停止傷病者の救命率・社会復帰率の向上」という、一般の場所へのAED設置の本来の目的や、心停止の傷病者の救命処置の時間的制約などを十分ご理解いただき、適正で効果的な設置をいただきますようお願い致します。
一般財団法人日本救急医療財団「AEDの適正配置に関するガイドライン」によると、次のような施設にAEDを設置することが望ましいとされています。
多数の人が集まるとともに、長旅や疲労等によるストレスが高まる環境にさらされ、心臓発作を起こしやすいといわれています。
旅客機や長距列車、長距離旅客船、高速バスなどは、長旅や疲労による心臓発作のリスクに加え、運行中はなかなか救急隊などの専門家の助けを得ることができません。
スポーツ中の心停止は非常に多く報告されており、スポーツ中の突然死は比較的若い健常人に発生することが多いといわれています。過去には有名サッカー選手が練習中に心停止となるも、その施設にはAEDが設置されておらず、亡くなったという事例もあります。
1日利用客が5000人以上の大規模な商業施設(常時、成人が250人以上いる規模を目安とする)は、AEDを取りに行き現場に戻るまでの時間ができる限り短くなるよう、複数台AEDを設置することが推奨されます。
アミューズメントパーク、動物園、海水浴場、スキー場、大規模入浴施設などの多数集客娯楽施設、観光施設、葬祭場などには複数のAEDを複数台設置することが推奨されます。
役所や公民館などの公共施設は、心停止の発生頻度も一定数あるうえに、市民への啓発や、AED設置・管理の規範となるという意味からも、AEDの設置が望まれます。
地域住民の命を守るという視線から、規模に関わらずAEDの設置が望まれます。
一定の頻度で心停止が発生しており、AEDの設置が望まれます。
学校での突然死は毎年約350件発生し、そのうち約80%が心臓突然死です。その多くは運動中であり、ランニング中が40%を占めます。その他、教職員や保護者、地域住民の心停止も発生しています。
特に、50歳以上の社員が多く働く事業所には、AEDを設置することが望ましいといえます。
競馬場や競艇場、パチンコなどの遊興施設では、極めて人口の密集した環境下で、ストレスも高いために心停止のリスクが高く、倒れる瞬間を目撃される可能性も高いことからAEDの設置が望まれます。アメリカではカジノにおけるAED使用による救命体制が整備され、倒れてから3分以内の除細動実施症例における生存率は70%以上にものぼったといわれています。
多数の人が集まるとともに、滞在時間も長いため、AEDの設置が望まれます。
民間救急車など、サービスの特性上AEDを用いた救命処置の実施が求められる施設は、AEDの設置や訓練が求められます。また、島しょ部、山間部、遠隔地、過疎地、その他迅速な救急医療の提供を受けることができない場所にもAEDの設置が求められます。
誰もがAEDの存在を認知できる場所に設置するとともに、AEDの設置場所が容易に把握できるようなステッカーや案内看板等により、誰もが迷わずAEDにたどり着ける体制を整えましょう。
従業員のみならず、利用客などもすぐにAEDを使用することができるよう、玄関やロビーなどの共用部に設置しましょう。
従業員のみならず、利用客などもすぐにAEDを使用することができるよう、玄関やロビーなどの共用部に設置しましょう。
夜間や休日にAED設置場所が施錠されており、目前にAEDがあったのに扉が開かず、使用できなかった例もあります。設置施設の営業時間や利用者の特性などを考慮し、適切な設置場所をご検討ください。
AEDによる除細動(電気ショック)は、傷病者が倒れてから1分遅れるごとに、助かる可能性が7~10%ずつ低下するといわれています。
平成17年に開催された愛・地球博の会場では、300メートル毎、約100台のAEDが設置され、心停止5例中4例で救命に成功しました。1秒でも早くAEDを使用することができるよう、施設内のどの位置からでも片道1分以内にAEDにアクセスできるように設置することが望まれます。
施設内のAED設置場所に連絡することにより、そこにいる従業員等が迅速に現場までAEDを搬送する体制もよいでしょう。
温度(夏場の高温や冬場の低温)や湿度、風雨などによる影響が少なく、かつ日常点検が行いやすい場所に設置することも重要です。
当社が販売するZOLL AED Plusは高い防水性を誇りますが、あくまで現場での水濡れを考慮したものであり、常時湿度の高い場所への設置はおやめください。また、保管温度は-30℃から60℃ですが、動作温度は0℃から50℃となっておりますので、スキー場等の寒冷地や、製鉄所等の高温の場所への設置には注意が必要です。
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