AEDによる電気ショックが必要なときとは???

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AEDの効果はよく「心停止となった人に電気ショックを行い、心臓の動きをもとに戻す」というような表現で説明されることから、「止まった心臓を動かす」という印象をお持ちの方が多くいらっしゃいますが、実のところAEDは・・・

・止まった心臓を動かすことはできない
・心停止となったすべてのケースで使用できるわけではない
・胸骨圧迫との組み合わせが不可欠である

ものなのです。

≪心停止とは???≫

そもそも「心停止」=「心臓の動きが止まった」というものではなく、「血液を送るポンプとしての機能が損なわれている状態」であり、何らかの動きはあっても血液を送る機能が損なわれていれば「心停止」の扱いとなります。

心臓は血液を送るポンプですから、灯油を汲み上げるポンプで例えて説明しましょう。
灯油を送り出す際は赤い部分を握る指を一斉に動かして収縮させ、その後一斉に指を動かして拡張させ、灯油を汲み上げます。この赤い部分が心臓、指は心臓を動かすための筋肉です。
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さて、心停止の種類は4つに分けられます。

①心室細動(しんしつさいどう) ※電気ショックが有効
指を一斉にではなく、無茶苦茶に動かしてみると灯油がうまく送られません。心臓でいえば筋肉が一斉ではなく部分ごとに勝手に様々な動きをしている状態です。「心臓がけいれんしている状態」とよく言われます。この状態の場合、AEDの電気ショックでけいれんを取り除くことが可能であり、心臓突然死の原因の多くはこの心室細動といわれています。
ただし筋肉が動くにはエネルギーが必要であり、筋肉にエネルギーが供給されなければけいれんはだんだん弱くなり、数分が経過すれば心臓は動きがない「心静止」(③参照)となります。こうなってしまうと電気ショックの効果はありません。AEDによる電気ショックを一刻でも早く行う必要があるのはこのためです。
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②無脈性心室頻拍(むみゃくせいしんしつひんぱく) ※電気ショックが有効
手を一斉に動かして収縮・拡張させたとしても、ものすごく速くそれを行えば灯油は送られなくなってしまう空回りの状態になってしまいます。これが心室頻拍であり、そのうち脈が触れない無脈性心室頻拍は電気ショックが有効な状態です。
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(写真だとわかりづらいですね・・・)

③心静止(しんせいし)
ポンプ=心臓に全く動きはありません。この場合、電気ショックは有効ではありません。
テレビドラマで心電図が横線一本で表されているシーンをご覧になったことがありませんか?あれが心静止の状態です。

④無脈性電気活動(むみゃくせいでんきかつどう)
心電図上は波形を認めるものの、有効な心拍動がなく脈が触れない状態です。この場合も電気ショックは有効ではありません。

ひとくちに「心停止」といっても様々な状態があり、電気ショックが有効な場合は限られていることもご理解頂けましたでしょうか?電気ショックが必要な状態かどうかはAEDが判断します。
こう説明すると「じゃあAEDなんか必要ないんじゃないの?」という声を頂くこともありますが、決してそうではありません。年間7万人ともいわれる我が国の心臓突然死の多くは心室細動によるものであり、すなわちAEDで命を救うことができるケースがたくさんあるのです。
電気ショックが有効な時間は前述のとおり限られています。そのため駅や商業施設、公民館、会社、学校、イベント会場などたくさんの場所にAEDを設置し、一刻も早く電気ショックを行って頂きたいのです。

≪胸骨圧迫の重要性≫

ただし、心停止となった方を後遺症なく社会復帰させるためには、電気ショック以外にもうひとつアクションが必要です。(迅速に119番通報を行うことも勿論ですが)
それが「胸骨圧迫」です。

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AEDによる電気ショックは「けいれんを取り除く」効果しかありません。電気ショックを行い、けいれんを取り除くこと(除細動)に成功しても、その直後から心臓が正常な動きになることはほとんどなく、90%のケースで「心静止」か「無脈性電気活動」になるといわれています。(AEDは心臓のけいれんを取り除き、心臓をいったん止めてしまうと考えたほうがよいでしょう)
この間も血流を作り脳に酸素を送り続けなければ、脳はダメージを受け、命は助かったとしても後遺症が残ってしまうおそれがあります。そのため胸骨圧迫を行い、脳に酸素を供給し続ける必要があるのです。(脳は3分程度酸素が絶たれるとダメージを受けるため、AEDが準備できる前も、心停止と判断したら胸骨圧迫を続ける必要があります)

また、電気ショックでけいれんを取り除いたとしても、心臓が動くためのエネルギーが心臓の筋肉になければ、心臓は正常な動きを取り戻すことができません。このエネルギーを心臓の筋肉に供給するためにも胸骨圧迫が欠かせません。胸骨圧迫は脳のダメージを防止するだけでなく、電気ショックの効果を高めるためにも必要なのです。

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〔参考〕通常血流ができるのは、心臓が収縮したとき(ポンプを握ったとき)ですが、心臓の筋肉にエネルギーを供給するための血管に血流ができるのは、心臓が拡張するとき(ポンプを元の大きさに戻すとき)なのです。胸骨圧迫をいかに強く行っても、戻しのストロークが不十分であると心臓の筋肉に十分なエネルギーが供給されません。「胸骨圧迫は戻し(圧迫の解除)も大切」といわれるのはこのためです。

≪胸骨圧迫もアシストするAED “ZOLL AED Plus” ≫

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従来のAEDは、電気ショックを行うまでの機能しかありませんでした。
しかしここまでにお話ししたように、心停止となった方を救うためには胸骨圧迫も欠かせないのです。そのため旭化成ゾールメディカル製のAED『ZOLL AED Plus』は、胸骨圧迫をアシストする機能も装備。命を救うだけでなく、後遺症なく社会復帰できる方をひとりでも増やすことを目指しています。

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ZOLL AED Plusの胸骨圧迫ヘルプ機能は、センサーで胸骨圧迫の実施状況をリアルタイムに検知。圧迫が弱い場合は「もっと強く押してください」と音声と文字で指示を出すなど、医療の専門家ではない市民救助者でも有効な胸骨圧迫を行うことができるようサポートします。
また、胸骨圧迫が遅すぎたり速すぎたりしないよう、リズム音を出して適切な速さに誘導します。

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生身の人間の胸を5cmも押すというのは、医療の専門家ではない人たちには相当な恐怖が伴うものであり、圧迫が弱くなりがちです。そのような方でも有効な胸骨圧迫を行うことができるようサポートするAEDが『ZOLL AED Plus』です。

ZOLL AED Plusの詳しい説明はこちらから
http://www.tokai99aed.com/feature.html

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東海警備はAEDを単なる商材として捉えるのではなく、我が国における心停止傷病者の救命率・社会復帰率の向上を目指し、AEDその他救急事業を行っています。
その目的を達成すべく、様々な機能を有した『ZOLL AED Plus』を皆様にお届けすることと致しました。AEDの新規導入をお考えの皆様、既存のAEDの更新時期を迎える皆様は是非『ZOLL AED Plus』をご検討ください。

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AEDを導入頂いた施設の関係者様へのトレーニング(60~90分程度の講習会)は無償です!
AEDを真に生かすための導入設置、安全安心な職場づくりを東海警備がサポート致します。

AED導入時トレーニング等の詳細はこちらから
http://www.tokai99aed.com/training.html

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AEDサイト http://www.tokai99aed.com/

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